昔からある詐欺の手口のひとつに「M資金詐欺」というのがあります。
これは戦後日本を統治していたアメリカのマッカーサー元帥が任期が終わり帰国する際、統治時代に築いた莫大な資産を
密かにアメリカに持ち帰り隠し財産としたものを財団と称するグループが企業に融資するという話です。
そして融資に当たりまず印紙代、手数料などで数百万~数千万円のお金を払う必要があるという説明に乗り、多額の前金を支払ってしまい、
詐欺被害に会うという手口です。

なぜこのような話に引っかかってしまうのでしょうか。
被害に会うのは紛れもなく企業の経営者です。この話が個人に降ってくることはまずありません。
経営の苦しい経営者に甘い言葉で誘いを掛けてくるのです。
「将来性のある企業、今は苦しくてもここを乗り切れば上昇する企業に限って内密で融資しています。御社は選ばれた企業なのです。」
などと言って弱い部分に付け込んできます。
実態は経営が苦しく藁をも掴みたい経営者は思わず話に乗ってしまうというパターンのようです。

このM資金話は戦後からずっとまことしやかに噂されてきた話です。
実際にマッカーサーが隠し財産を持っていたかどうかは定かではありません。しかし、戦後のどさくさを知っている人たちは「いかにもありそうな話」と
して一度や二度は耳にしたことがあるのです。だからこそ詐欺師がそれこそ迫真の演技で擦り寄って来たとき「これで助かる」と縋ってしまうのだそうです。
詐欺師は迫真の演技どころか実はごく自然に単にビジネスの話をしに来たんだという素振りで何の疑いも持たせない話しぶりだそうです。

今の時代にそんなことがあるのかと思われる方も多いでしょうが、実際いまだに騙される経営者がいるのです。ひとつにはM資金はある意味ロマンが感じられるという
理由があるでしょう。夢のような話が自分のところにも舞い降りてきた、自分を救ってくれるための使者がやってきた、そう思う経営者の心の隙に付け込んでくるのです。
もうひとつにはこの話が過去に何度も小説にもなり映画にもなりドラマにもなったということが影響しているかもしれません。小説や映像になったがために架空の話のはずが真実性を帯びてしまったと
言えるかもしれません。

いずれにしても基本対策は「甘い話は降って来ない」という戒めを心に刻んでおくことです。
個人でも経営者でも変わりません。心の持ち方で詐欺被害は避けられます。